http://happybirthcafe.naganoblog.jp/e733983.html
野菜の中でもトマトは人気。
真っ赤な色、果物にも負けない甘みに本能が刺激される。
プランターでも作れるのも魅力!
そのトマトを木村方式の「自然栽培」でプランターで作ってみませんか?
まずは最近話題だった美味しんぼより
http://touch.dailymotion.com/video/xblrxy_tv-アニメ-美味しんぼ-第062話-大地の赤_shortfilms
テレビ放映された木村式トマトの自然栽培方法
http://sizennsaibainikki.doorblog.jp/archives/6147702.html
あなたの人生に「奇跡のリンゴ」をつくる本
小学館発行
より抜粋しました
プランターでできる木村式「自然栽培」
自分でつくった安心野菜を食べよう!
根っこを丈夫に育てるとトマトは驚くほど旨くなる
トマト編(前編)
物事の根本を見極めるという日本語がある。根本というのは植物の根っこのことだ。英語のルーツという言葉も、根という意味だけじゃなくて物事の基礎とか、先祖とかいう意味で使われているって聞いたことがある。洋の東西を問わず、昔の人はよく知っていたというわけだ。
人が農業を始めて何千年経ったかわからないけどもさ、考えてみれば、昔は世の中の大半の人が何らかのかたちで農業に関わって生きてきた。植物の種を植えて、それを育てるという暮らしをしていたら、誰だって根っこの重要さに気づくと思うのな。
ちょっと乱暴ないい方になるかもわからないけど、その根っこの大切さを忘れてしまったのが、現代の農業の姿だと私は思います。現代の農業を頭から否定するつもりはないけど、農薬や肥料に頼るとどうしても根っこのことを考えなくなってしまうのさ私自身がそうだったから、それはよくわかる。肥料を与えれば立派な作物が育つ農薬を撒けば害虫や病気を退治できる。そういう単純な思考方式になってしまうから土の中にあって見えない根っこのことを見ようともしなくなる。私がリンゴの無農薬栽培を成功させるまでに長い歳月がかかってしまったのも、結局はそれがいちばんの原因でした。自然の中の草木と、人間が肥料や農薬を使って育てる作物のいちばん大きな違いは、その目に見えない根っこなの。肥料を与えてやれば茎や葉は立派に育つ。けれど根っこは貧弱になってしまう。植物は根っこから地中の養分を吸収するのだけど、肥料が与えられているおかげで、その根っこを伸ばす必要がなくなるわけさ。自然の中の植物は、必要な栄養を得るために根を精一杯に伸ばす。だから茎や葉に比べて地下の根っこがものすごく発達する。それが植物の自然な姿であり、そのほうがずっと健康なわけだ。野山を駆け回って遊んでいた昔の子供みたいなものだな。家の中でテレビゲームばっかりしている今の子供よりも、ずっと足腰が強かったはずだ。肥料を与えられて育った作物は肥満の人と同じで、一種の栄養過多に陥っているわけです。肥満が生活習慣病の原因になりやすいように、虫や病気の被害を受けやすい。栄養過多だと、虫も集まりやすいのさ。肥料を与えるから、農薬に頼らなきゃいけなくなるというわけだ。
そしてこの話は、実は肥料だけではなく、水やりも同じことがいえる。水が植物にとって欠かせない"養分"のひとつなのは事実だけれど、これも与えすぎていることが多い。それが根の発達を妨げる原因になっている。
トマトという作物は、その典型的な例だ。原産地は、南米のアンデス高原。雨のほとんど降らない乾燥した荒地が故郷だから、トマトは根を生やす力がとても強い僅かな水分を求めてどこまでも根を伸ばしながら生きてきた。おいしくて、健康なトマトを育てるこつは、このトマトの才能を生かしてやることにつきるのさ。そのことに気づいたのは私のちょっとした不手際でした。
昔、リンゴがまだみのらないころ、リンゴ畑の隅でトマトをつくっていたんだけどうっかりして一本のトマトの茎を踏んずけたままにしてしまったのさ。茎は根元から倒れて地面になかば埋まっていたの。何日かしてそのことに気づいたんだけど、よく見たらその地面についた茎から、根がびっしり生えている。
すごい生命力だなあと感心して、そのまま育ててみました。そしたらその茎からも
根を生やしたトマトは、他のトマトよりもずっと成長がよかった。リンゴの木よりも高くなったんだから。実もたっぷりとつけてくれました。そしてなにより、そのトマトの実は驚くほど甘くておいしかった。
他のトマトに比べて、根の量が遥かに多いからだと思います。それで、工夫したのがトマトの「横植え法」。ベランダ菜園でも十分に応用が可能です。これからその方法をお教えしましょう。
トマトの苗の植え方は、左の図のとおりです。ミニトマトでも普通の大きなトマトでもいい。ただしこの方法で育てると、プランター栽培とはいえ、トマトの背丈はかなり高くなります。ミニトマトでも上手く育てれば1m50cmから2mにはなるから、ベランダの広さに余裕がない場合はミニトマトを選んだほうがいいかもしれません。
基本的な育て方は、ミニトマトも、普通のトマトも同じです。
ポイントは苗を植える前に先端の葉を残して、他の枝葉をすべて切り落としてしまうこと。そして、枝を切り落としたら切り口を十分に乾かしてあげてください。切り口はトマトにとって傷のようなものだから、そのままに地中に埋めてしまうと、腐ってしまう可能性がある。30分から1時間放置して切り口がよく乾燥したらトマトの苗からポットをはずし、中の土に霧吹きで水を軽く吹いて湿らせます。
プランターに穴を掘り、左の図のように根の部分から先端だけを残し、茎の全てを土に埋める。このとき、茎の先端の葉が地面に触れないように土で枕を作ってあげてください。翌日には茎がぴんと直立して、葉は空を向いているはずです。
注意してもらいたいのは、この最初の植え付けのとき、ポットから苗を外してに根の周りに霧吹きで軽く水をかける以外は、水やりをしないということ。ポットからはずした根に水をあげるのは(このときも、水のやりすぎにならないように気をつけること。あくまでも霧吹きで、土の表面が湿る程度に!)、トマトの根がプランターの土の中に伸びやすくするため。ポットの中で育ってきた根はプランターという新しい環境に移され、最初は戸惑っている。そこにちょっとだけ与えた水が、いわば呼び水として、プランターの土という未知の世界にトマトか根を伸ばすきっかけになるというわけさ。あとは、トマトが、プランターの中に根をどんどん伸ばしていく地中に埋めた茎からも、びっしり根が生えていく。前にもいったことだけれど、手で握って水気を感じない土でも50%程度の水分を含んでいる。根をしっかり生やしたトマトなら、それくらいの水分があれば十分です。
苗を土に埋めたら、水をやりたくなるかもしれないけれど、そこで水を与えると、その後も水をやり続けなければいけなくなります。水が豊富な環境ではトマトは根をあまり伸ばそうとしないからだ。水を与えずに育てると、トマトは根を一生懸命に伸ばし、驚くほど甘くおいしくなるのさ。じっと我慢して生長を見守ってください。
旨いトマトづくりのこつは水をなるべく与えぬこと
トマト編(後編)
トマトは、茎が地面に触れるとそこからでもどんどんねをのばす。「横植え法」はその性質を利用した方法です。根が豊かに育つから、普通に植えるよりもトマトは大きく育つ。もちろん実もたくさんつけるし、しかもその実は普通のトマトよりもずっとおいしくなる。
トマトが茎からも根を伸ばすのは、乾燥した土地で進化したしょくぶつだから、僅かの水分でも必死で取り込もうとするのだと思います。考えてみれば、健全な姿だよな。ただし、その姿に同情して水をあげてはいけない。トマトは基本的に水を与えずに育てること。水まきをしなくても、土にはかなりの水分が含まれている、それで十分なのさ。
むしろ水を与えると、トマトは根を伸ばさなくなる。しかも水分過多になって、葉や茎の組織がやわらかくなるから虫にも食われやすくなる。
トマトは農薬を与えずに育てるのが難しいといわれているけれど、そのひとつの理由は水のやりすぎなのさ。68ページで土の育て方の説明をしたときに、赤土のうえに枯れた草や枯葉を敷くことをおはなししたけれど、トマトに限っては、それもやらないほうがいい。
枯草や枯葉には土からの水分をの蒸散を防いで保水をする働きをする。それはごく僅かの水分ではあるけれど、それすらもトマトには必要がない、というか、余分な水分になってしまうのさ。自然の雨がかかってしまうのは仕方がないけれど、これもあまり降るようなら、雨よけをしてあげたほうがいい。畑ではどうすることもできないけれどベランダなら傘を差しかけてやることもできる。雨のほとんど降らない地方から、はるばる日本にやってきてくれた作物だものな、それくらいのサービスをしてあげてもばちは当たらないさ。
というわけで、苗の植え付けか終わったら、人間には(雨よけは別として)しばらくの間は何もすることがない。トマトが生長して葉を繁らせていく姿をよく眺めていてください。
さて、トマトの葉が生長したら、側芽欠きをします。側芽とは葉のつけ根に出る芽のこと。この側芽が出たら指で摘み取ります。これはトマトの生長を助けるためなのでトマトがある程度生長したら側芽欠きの必要はありません目安として、地面から3段目くらいの葉まで側芽欠きをすればいいでしょう。摘み取った側芽は土に挿してやると、根を生やして一人前の苗に育ちます。養分の少ない赤土に挿すのがこつ。この方法で、トマトの苗を増やすこともできます。
トマトの高さが30センチくらいになったら、ダイズの種を播いてください。
ダイズの種はトマトの根から、少し生やし離れた場所に播くこと。路地栽培なら30cmは離すところだけれど、プランターの場合なら15cmくらい離せばいいでしょう。播く場所は左のイラストを参考にして、プランターのサイズに合わせて工夫をしてください。
ダイズを播くのは、根粒菌の働きを借りて、土の中に窒素を固定するため。肥料の代わりに、根粒菌の力を借りて窒素分を補給するわけです。72ページで説明したように、人差し指を第一関節まで土に埋めて穴をあけ、その底にダイズの種を1粒おいて土をかけます。ダイズが育って枝豆ができたら茎の根元で切って収穫して、根を地面にそのまま残します。根を残すのがポイントだ。土の中に残った根に寄生した根粒菌はそのままに働き続け、10月くらいまで土に窒素を補給してくれます。
窒素肥料を施すほうが簡単という人もいるかもしれません。確かに肥料なら、養分を確実に補給できる。けれど、落とし穴がひとつある。肥料だと窒素分を与えすぎになりやすい。
人の子供だって目の前に甘いお菓子があったら、食べ過ぎるまで食べてしまう。植物も養分を与えられたら必要以上に吸収してしまうのさ。それで窒素過多になって、苦味が出てくる。害虫が集まるのも、野菜や果物が余分な栄養を貯め込んでいるときなのさ。ところが根粒菌は土の中に必要以上の窒素分があると働かなくなる。窒素過多になる心配がないのさ。自然の摂理はすごいもんだな。
ダイズの種を蒔いたら、支柱を用意してください。細い棒を井桁に組んで、ベランダなら柵などに固定します。畑なら支柱を地面に突き刺せばいいんだけれど、プランターの深さくらいでは、トマトが生長してきたらとても支えきれないのな、だから、支柱は柵にしっかり結びつけること。支柱は、ホームセンターなどでキュウリなどの野菜用の支柱を売っているので、それを代用してもかまいません。トマトはプランター栽培でも2mくらいは伸びるから生長した姿を想像して支柱を組んでください。支柱の井桁には、左の図を参考にして、適当な間隔で麻ひもを張っておくこと。
そこに、伸びてきたトマトの茎を這わせます。トマトには巻きひげがないから、麻ひもなどで支柱に固定してやる必要がある。このとき、トマトの茎を強く縛りつけないように注意すること。茎が折れる原因になります。固定する麻ひもが8の字を描くように、支柱の側はしっかり結び、トマトの茎の側は、締めつけないよう、余裕を持たせて緩く結んでやってください。
そのうち可愛い花が咲き始めます。受粉を促し、着果をよくする薬剤もあるけれど、その必要はありません。そのまま自然に任せても、トマトはみのってくれます。もし花が咲いても実のつきが悪いようなら、綿棒で花の中をこちょこちょと刺激してみてください。
それから、順序が逆になってしまったけれど、トマトがまだあまり生長しないかうちに花が咲いたら、摘み取ること。植物には生長作用と生殖作用があるのさ。そして、このふたつの作用は互いに抑制し合う関係にある。わかりやすくいえば、花を咲かせると、トマトの生長が悪くなるというわけだ。プランター栽培の場合なら、トマトの高さが30cmくらいになるまでにつぼみができたら、ちょっと可哀想なようだけれど、すべて摘み取ったほうがいい。
トマトが健康に育てば、夏の間中はおいしくて甘い実を収穫できるはずだ。野生の果実に近い、濃厚で甘みのあるトマトを存分に味わってください。夏どころか場合によっては10月くらいまで収穫できることもあります。10月のトマトはさすがに赤くはならないけれど青いトマトに鰹節とドレッシングをかけて食べるとこれがまた旨いのです。
失敗をしてしまったあなたへ
失敗は面白くないもの。
私だって10年も失敗を続けたわけですから。
今の人たちは失敗を恐れすぎだと思います。
絶対に失敗は許されないと思っている。
しかし、失敗からしか学べないこともたくさんあるのです。
この本で紹介したプランター栽培でも最初からうまくいかない人のほうが多いのかもしれません。
もし皆さんが、今すぐ野菜を食べたい、というのなら、きっと八百屋さんに行ったほうが早いでしょう。
わざわざ自分の手で、試行錯誤を重ね、いろいろ乗り越えてつくった野菜だからこそ、ひと味もふた味も違う愛おしさが出るんではないでしょうか。
もちろん、私は皆さんに失敗をすすめているわけではありません。
失敗は何かを学ぶチャンスでもあるといいたいのです。
失敗から学びながら、いや、失敗を楽しむ気持ちで野菜をつくってみてください。
そうすると野菜作りを通じて、きっと自分の人生作りのヒントが手に入ると思います。
あなたの人生に
毎日、毎日
小さな花を咲かせましょう。
いつか実を結ぶ、花。
きっと誰かの心を和ます、花。
あなたの人生に「奇跡のリンゴ」をつくるということはおおげさなモノでもコトでもなく、
当たり前のことを「幸せ」と感じることから
始まるのではないでしょうか。
一緒に幸せの種を蒔きましょう。
木村さんの手
http://www.youtube.com/watch?v=0S6rNnDH3gQ&feature=youtube_gdata_player