2010年11月30日
結び ―イセヒカリが問いかけている課題―
1 イセヒカリの高変異性についての解明が待たれること
静岡大学佐藤洋一郎助教授(当時)はイセヒカリの高変異性について、二度に亘って日本育種学会で報告(平成13年10月、15年4月)された。その問題意識は、高い頻度をもって、それまでに無かった全く新しい形質の稲をイセヒカリが造り出すことから、動く遺伝子トランスポゾンを内包する稲ではないかとする点にあった。平成15年1月9日に新聞各紙が一斉に報じた「突然変異遺伝子発見」の記事は、こそ想定に現実味を与えた。記事は、突然変異などを起こす「動く遺伝子」の一種が稲にあり実際に動いていることを日米の三チームが発見、mPingと名づけられ、京大チームはこれが突然変異に関わっていることを突き止めたというものである。まだ、イセヒカリでトランスポゾンは特定されていないが、イセヒカリがもつ優れた資質は日本の稲育種に測りしれない貢献を果たすのではないかと推察している。名品コシヒカリが出て、遂にこれを超えることなき現在の育種事情に、イセヒカリは確実に新生面を拓き、稲品種に多用性をもたらすであろうと思われる。
イセヒカリの高変異性について分子遺伝学の立場からする解明が待たれるところである。
イセヒカリは日本農業の構造改革を担う稲として生かされたいこと
兼業農家は言うまでも無く、山田を守る零細な高齢農家の稲作も、大型香穀作経営の稲作も、畜産・園芸に特化した経営の稲作をも束ねて経営間協同をもたらし得る稲品種であってこそ、さらには低農薬栽培で消費者にも迎へられて連携しうるコメであってこそ、農業構造の担いうる稲と言えよう。イセヒカリはまさにその能力をもつスケールの大きな稀有な稲として神宮神田に誕生した。神宮は神様から戴いた稲として品種登録はされないが、品種としての実質をそなえてきたイセヒカリは、現在の閉寒状況に陥っている日本のコメ情勢を切り開き、日本農業に再生をもたらすであろうと確信する。農業者ならびに農業関係各界の方々のご検討を戴きたいと切に願うところである。
(文 責 岩瀬 平)
静岡大学佐藤洋一郎助教授(当時)はイセヒカリの高変異性について、二度に亘って日本育種学会で報告(平成13年10月、15年4月)された。その問題意識は、高い頻度をもって、それまでに無かった全く新しい形質の稲をイセヒカリが造り出すことから、動く遺伝子トランスポゾンを内包する稲ではないかとする点にあった。平成15年1月9日に新聞各紙が一斉に報じた「突然変異遺伝子発見」の記事は、こそ想定に現実味を与えた。記事は、突然変異などを起こす「動く遺伝子」の一種が稲にあり実際に動いていることを日米の三チームが発見、mPingと名づけられ、京大チームはこれが突然変異に関わっていることを突き止めたというものである。まだ、イセヒカリでトランスポゾンは特定されていないが、イセヒカリがもつ優れた資質は日本の稲育種に測りしれない貢献を果たすのではないかと推察している。名品コシヒカリが出て、遂にこれを超えることなき現在の育種事情に、イセヒカリは確実に新生面を拓き、稲品種に多用性をもたらすであろうと思われる。
イセヒカリの高変異性について分子遺伝学の立場からする解明が待たれるところである。
イセヒカリは日本農業の構造改革を担う稲として生かされたいこと
兼業農家は言うまでも無く、山田を守る零細な高齢農家の稲作も、大型香穀作経営の稲作も、畜産・園芸に特化した経営の稲作をも束ねて経営間協同をもたらし得る稲品種であってこそ、さらには低農薬栽培で消費者にも迎へられて連携しうるコメであってこそ、農業構造の担いうる稲と言えよう。イセヒカリはまさにその能力をもつスケールの大きな稀有な稲として神宮神田に誕生した。神宮は神様から戴いた稲として品種登録はされないが、品種としての実質をそなえてきたイセヒカリは、現在の閉寒状況に陥っている日本のコメ情勢を切り開き、日本農業に再生をもたらすであろうと確信する。農業者ならびに農業関係各界の方々のご検討を戴きたいと切に願うところである。
(文 責 岩瀬 平)
Posted by HAPPY BIRTH CAFE at 23:33│Comments(0)